【配属機関概要】

3）任地（ バグマティ州カブレパランチョーク郡ドゥリケル ） JICA事務所の所在地（ カトマンズ ）

任地からJICA事務所までの交通手段、所要時間（ ﾊﾞｽ で 約 2.0 時間 ）

4）配属機関の規模・事業内容

配属先は、首都郊外ドゥリケルにある創設60年を超える公立学校で、就学前クラスから12年生まで(保育園年長から高校生相当)の約1100名が在籍する大規模校である。2015年の地震後に校舎が再建され、新たな環境での授業が始まった。同校は、周辺校(36校)へのテスト問題作成や研究授業の実施など技術支援を担うモデル校として位置づけられている。またインクルーシブ教育実践校でもあり、視覚障害のある生徒約30名が寮で生活し、健常者と共に学習をしている。同校には小学校教育の隊員が2020年3月まで活動。英語クラスを担当し、授業の実施や現地教員への研修を行った。体育分野では、現在2名の隊員(2024年8月～)が他の学校で活動中である(うち、一人はインクルーシブ教育実践校配属)。

【要請概要】

1）要請理由・背景

ネパールでは、体育の授業では座学が中心で、身体を動かす実践的授業が極端に少ないことが全国的な課題として現場では認識されている。加えて、本校では各クラスに1～2名ほどの視覚障害のある生徒が在籍しており、彼・彼女らに体育を指導するには、教員に対するより一層の支援が必要な状況となっている。そのため本校としては、体を動かす体育教育の実践に加え、視覚障害のある生徒にも身体を動かす体育の機会を提供していくためにも、今回、体育分野のJICA海外協力隊の派遣を要請するに至った。同校は、当該地域におけるモデル校であることから、周辺校に取り組みを普及させることも想定しており、本校での実践を通し、周辺校を含めた現地教員の能力向上が期待される。

2）予定されている活動内容（以下を踏まえ、隊員の経験をもとに関係者と協議して計画を立て、柔軟に内容を変更しながら活動を進めます）

配属先教員と協力しながら、以下の活動を行う。
1.発達の段階に応じた実践的体育授業の企画提案・実施を支援する。
2.視覚障害を持った生徒も取り組める体育の授業の企画提案・実施を支援する(視覚障害のある生徒のみの体育あるいはインクルーシブクラスでの体育)。
3.体を動かすことを目的としたイベントやプログラム(運動会等)の企画提案・実施を支援する。
4.活動の状況に応じて、上記の取り組みについての周辺地域校に対する研修会の実施を支援する。
体育科目の対象は8年生までであるが、イベント等を通じ、より多くの生徒を対象に活動することが期待されている。

3）隊員が使用する機材の機種名・型式、設備等

校庭(バスケットコートを3つ取れる程の広さ、整地状態は良い)、バスケットボール、サッカーボール、卓球台、卓球セット、バドミントンラケットとシャトル

4）配属先同僚及び活動対象者

カウンターパート:体育(座学)教員、男性(50代)、女性(20代)、2名
配属先同僚:教員約 50名
活動対象者:生徒、配属先教員および周辺校教員・生徒
1クラス35人から40人に対し、1から2名の障害者がいる。障害の種類は視覚障害者のみ。

【資格条件等】

[汎用経験]：

　・障害者を対象とした活動経験

　・特別支援学級での活動経験

[参考情報]：

　・なるべく特別支援学校教諭資格があると良い

【地域概況】

【特記事項】

小学校か中学校または高等学校の保健体育の教員免許を保有することが条件である。障害のある生徒が取り組める体育教育について自己学習するなど事前準備をすること。またインクルーシブ教育に関する研修や授業実践、特別支援学校での経験があるとなおよい。